アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発

2月25日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

2015/アメリカ/英語/98分/ビスタ/ドルビーSRD/DCP/字幕:田沼令子 配給:アット エンタテインメント
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intro


人間は権威への服従を避けられず、過ちを犯し続けるのか?!

 アイヒマン裁判がはじまった1961年。米・イェール大学で、世界を震撼させたアイヒマン実験が行われようとしていた。ユダヤ系アメリカ人である社会心理学者のスタンレー・ミルグラムは、“なぜ、どのようにホロコーストが起きたのか” “人間はなぜ権威へ服従してしまうのか”を実証するため、電気ショックを用いての実験を繰り返し行う。その結果は、ハンナ・アーレントが提唱した「悪の凡庸さ」を科学的に実証し、被験者だけでなく社会全体に様々な影響と波紋をなげかけることになる。実験の方法を学会から非難され名指しで攻撃されながらもミルグラムは、人間社会のタブーを曝け出し、人生を懸けた実験に挑むことになる。
 主人公のミルグラム博士を演じるのは、「ブラック・スキャンダル」や「荒野の七人」の米版リメイク「マグニフィセント・セブン」など出演作が相次ぐピーター・サースガード。彼の妻を演じるのは、ウィノナ・ライダー。その他、ジョン・レグイザモや今年急逝したアントン・イェルチンなども出演。監督に、「ハムレット」「アナーキー」のマイケル・アルメレイダ。

世界に発信されたアイヒマンの存在と、明らかになるホロコーストの真実。

世界37カ国でテレビ放映されたアイヒマン裁判によって、アウシュヴィッツ収容所の実態が初めて全世界の人々に知れ渡った。スタンレー・ミルグラムによるアイヒマン実験は、アイヒマンのようなごく普通の人間が権威に服従することで、虐殺を行ってしまうことを実証した。しかし、心理学会、学生からは“詐欺的” “非倫理的”と揶揄され、ミルグラムは一生、この実験の重要性を訴え続けることになる。実験結果をまとめた書籍が出版されると、世間からも大きな注目を浴び、全世界にその名が広まるも、さらに実験に対する批判は強まった。 そして、50年以上が経った現在、世界で大きなテロや虐殺事件が起きるたびに、ミルグラムの実験は引き合いに出される。実験の是非はいまも答えが出ていない。しかし、そのヒントはこの映画に含まれている。

【ロサンゼルス映画祭  アルフレッド・P・スローン賞受賞】【ゴッサム・インディペンデント映画賞】【男優賞ノミネート サンダンス映画祭 正式出品作品】

story

1961年8月、イェール大学で、ミルグラム博士の実験が開始された。
実験者とともに、二人の被験者が実験室に入ってくる。
一人は先生、一人は学習者となり、先生役の人物は問題を出題、別室にいる学習者役はそれに答える。
答えを間違えると学習者には電気ショックが与えられ、間違えるごとに電圧は上げられる。
くじ引きで、先生と学習者の役割は分けられたが、被験者の一人は実験の協力者で、常に学習者に
なるように操作されていた。マジックミラー越しに静かに実験の様子を見つめる、
この実験を計画したスタンレー・ミルグラム(ピーター・サースガード)。
この実験は、ナチスによるホロコースト(大量虐殺)がどのように起こったのか?
普通の人々が権威にどこまで服従するのか?を科学的に実証することが目的だった。
実験が進んでいくと、学習者の答えは不正解が続き、電気ショックの強さも上がっていく。
学習者はしだいに呻き声をあげるも、被験者の電気ショックの手は止まらない。

電気ショックが強くなるに連れて、学習者の呻き声も大きくなる。
学習者「ここから出してくれ!」
被験者「イヤだと言っている。」
実験者「続けてください」「正解するまで続けねばなりません。」
そして、彼は最後の450V(ボルト)まで電気ショックを与え続けた。
別の被験者も表情や仕草などに変化はあるものの、
ほとんどの被験者が450Vまで電気ショックを与えた。




キャスト

監督・脚本:マイケル・アルメレイダ

監督・脚本:マイケル・アルメレイダ監督・脚本:マイケル・アルメレイダ

1959年4月7日、米・カンザス州生まれ。
監督作に、『ツイスター/大富豪といかれた家族たち<未>』(89)、『アナザー・ガール、アナザー・プラネット』(92)、デヴィッド・リンチ製作、ピーター・フォンダ主演の『ナディア<未>』(95)、イーサン・ホーク主演の『ハムレット』(00)、『WILLIAM EGGLESTON IN THE REAL WORLD』 (05)、『PARADISE』(09)。 短編作品『SKINNINGROVE』は、2013年にサンダンス映画祭ノンフィクション部門で審査員賞を受賞する。
ほかに、TVでは、HBO製作の『DEADWOOD』シリーズを監督。今回の『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』は、サンダンス映画祭とトライベッカ映画祭共同で運営されているアルフレッド・P・スローン財団から助成金を得て、製作された。

ピーター・サースガード(スタンレー・ミルグラム博士)

ピーター・サースガードピーター・サースガード(スタンレー・ミルグラム博士)

1971年3月7日、米・イリノイ生まれ。
セントルイス・ワシントン大学で歴史と文学を専攻し、在学中に演劇集団「Mama's Pot Roast」結成。オフ・ブロードウェイで演技経験を積んだ後、ティム・ロビンス監督の『デッドマン・ウォーキング』(95)でスクリーンデビュー。その後、インディーズ作品を中心にキャリアを積み重ねる。2003年に出演した『ニュースの天才』で全米批評家協会賞で助演男優賞受賞のほか、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネートされたことで注目を浴び、メジャー作品の出演作が相次ぐ。主な出演作に、『フライトプラン』『ジャーヘッド』(05)、『17歳の肖像』『エスター』(09)『ブルージャスミン』(13)『ブラック・スキャンダル』(15)など。最新作に、『荒野の七人』のハリウッドリメイク『マグニフィセント・セブン』(17)がある。
プライベートでは、マギー・ギレンホールと2006年に結婚。

ウィノナ・ライダー

ウィノナ・ライダー(サシャ/アレクサンドラ・ミルグラム)

1971 年10月29日、ミネソタ州ウィノナ生まれ。『ルーカスの初恋メモリー』(86)で映画デビュー。ティム・バートン監督の『ビートルジュース』(88)、『シザーハンズ』(90)に出演後、90年の『恋する人魚』で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。その他、『ヘザース/ベロニカの熱い日』(89)、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)や、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ドラキュラ』(92)にも出演。93年の『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』では、演技を高く評価され、ゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネート。翌年の『若草物語』(94)でも主演女優賞にノミネート。同年、ベン・スティラー初監督のカルト映画『リアリティ・バイツ』でも注目を浴びる。その後も出演作が相次ぎ、99年に出演した『17歳のカルテ』では、プロデューサーとしても手腕を発揮する。

ジム・ガフィガン(ジェームズ/学習者)

1966年7月7日、米・インディアナ生まれ。24歳でNYへ移り、コメディアンとしてキャリアをスタート。「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」に出演して、そのコメディセンスを証明。レターマンのためにホームコメディを作り上げた。そのほか、「セックス・アンド・ザ・シティ」「ロー&オーダー」などのドラマにゲスト出演する。自らがプロデュース、出演する「The Jim Gaffigan Show」も人気を博している。

アントン・イェルチン(被験者)

1989年3月11日、ロシア生まれ。9歳でキャリアをスタート。『ターミーネーター4』(09)や『スタートレック』シリーズで人気を博し、出演作が相次ぎ、今後の活躍が大きく期待されていたが、2016年6月19日、不運な事故で命を落とす。マイケル・アルメレイダ監督作は『アナーキー』(14)に続いての出演。最新作の『グリーンルーム』(15)が、2017年に日本でも公開予定。

ジョン・レグイザモ(被験者)

1964年7月22日、コロンビア生まれ。88年、ブライアン・デ・パルマ監督の『カジュアリティーズ』で映画デビュー。主な出演作に、『ダイハード2』(90)、『ロミオ+ジュリエット』(96)、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』『アナーキー』『ジョン・ウィック』(14)などがある。マイケル・アルメレイダ監督作は『アナーキー』(14)に続いての出演。今後、ウィリアム・H・メイシー監督の『Krystal』(17)や、『ジョン・ウィック』の続編『John Wick:Chapter2』(17)を予定している。